ペロブスカイト太陽電池の量産化に向けた薄膜塗工技術の開発を加速

2025年05月08日

株式会社小森コーポレーション(東京都墨田区、代表取締役社長 持田 訓)(以下、KOMORI)は、ペロブスカイト太陽電池の量産化に向けて、薄膜塗工技術の開発を強化していくことをお知らせします。

KOMORIは、PE(プリンテッド・エレクトロニクス)事業において、次世代の再生可能エネルギー技術として注目されるペロブスカイト太陽電池の量産化に向け、高精度な薄膜塗工技術の開発を推進しています。

ペロブスカイト太陽電池はその高効率性・低コスト性・軽量性・フレキシブル性から、次世代の太陽電池として大きな期待を集めています。しかし、実用化に向けては安定した製造技術が不可欠であり、特に「大面積で均一な超薄膜を高速かつ精密に形成する技術」が課題と捉えています。

KOMORIは、これまで培ってきた精密印刷技術を応用し、この課題を解決する技術の確立を進めています。本年第3,4四半期には、PE要素技術開発センター(PEDEC)の試験ラインを拡充し、スリットダイコーター、ロールコーター、スクリーン印刷の3種類のコーティング技術への対応を可能とします。また、2種類の乾燥機を導入することで、より高度なプロセス条件の検証が可能となります。これにより、多様なニーズに応じた試作や評価を実施できる環境が整い、さまざまなお客様のテスト要望に対応していきます。今後PEDECは、オープンイノベーションを推進する場として、パートナーの皆さまに利用いただけるよう準備を進めていきます。

また、フレキシブルエレクトロニクス向け装置開発技術を有する、KOMORIの子会社・株式会社セリアコーポレーション(以下、SERIA)は、山形大学有機エレクトロニクスイノベーションセンター(INOEL)と10年以上にわたり共同研究を行ってきました。特に、精密スクリーン印刷や低張力搬送技術を駆使した高精度印刷を強みとしており、薄ガラスやフィルム上への均一な薄膜形成技術を確立しています。さらに、赤外線乾燥技術に加え、真空チャンバーやグローブボックス内での塗工技術の活用により、ペロブスカイト太陽電池の製造プロセス最適化を進めています。

2019年に山形大学が発表した「印刷方式によるフレキシブル有機薄膜太陽電池の実証試験」においても、SERIA製の装置が研究に使用されるなど、その技術力は高く評価されています。

KOMORIはオープンイノベーションを推進し、ペロブスカイト太陽電池向けの薄膜塗工装置の事業化に取り組んでおり、量産化への重要なステップを進めています。ペロブスカイト太陽電池をはじめとする第三世代有機太陽電池の産業化を加速させることで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

共同開発やテストをご検討の際は、ぜひお問い合わせください。


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薄膜塗工テスト装置                 PE要素技術開発センター(PEDEC


【お問合せ先】

株式会社小森コーポレーション

PE要素技術開発センター(PEDEC

TEL: 029-839-0157


◆株式会社小森コーポレーションについて
株式会社小森コーポレーションは、「プリントテクノロジーで社会を支え感動をもたらす」をパーパスに事業を展開する印刷機械システムメーカーです。1923年の創業以来、品質と信頼を至上とするものづくりの原点にこだわり、100年培ったプリントテクノロジーで情報・経済・文化を支えてきました。
オフセット事業や証券印刷事業をはじめ、デジタル印刷やプリンテッド・エレクトロニクス事業を通して、社会の課題を解決するソリューションを提供し、人々の期待を一歩超える価値「感動」を創造してまいります。
https://www.komori.com/ja/jp/


◆株式会社セリアコーポレーションについて

株式会社セリアコーポレーションは、1972年に創業し、「SERIA」ブランドのスクリーン印刷機の製造・販売を行っています。装置、資材、製版のすべてを取り扱う国内唯一のスクリーン印刷機メーカーとして、品質、コスト、環境に配慮したトータルソリューションを提供しています。20145月より株式会社小森コーポレーションのグループ企業となり、プリンテッド・エレクトロニクス事業のさらなる成長と、「感動企業の実現」を目指して発展を続けています。

https://www.seria.co.jp/